INNSBRUCK

人口約12万のチロルの州都インスブルックは、中世の面影をたたえるアルプスの帝都である。最初の集落は青銅器時代に始まり、古代ローマ時代以降常に、ブレンナー峠を経由アウグスブルクへ至る交易の要衝として発展、とりわけ、この街を愛した皇帝マクシミリアン1世の面影が今も生き続けている。

 2回の冬季オリンピック開催地として知られ、ブレンナー峠によってイタリアとの結び付きも強く、南国的風情を湛えると同時に、ウィーンなど典型的中欧タイプの都市に比べ、はるかに西欧的な街である。

● Innenstadt ●

Rudolfsbrunnen (ルドルフの泉)

駅前のBrixner strasseを真っ直ぐ行くと見えてくる。

チロルのオーストリア帰属500周年を記念して1877年に建設されたもの。

 

Altes Landhaus (旧ラントハウス)

チロルで最も重要なバロック宮殿のひとつ。1725〜28年、ゲオルク・アントン・グンプによって建てられた。現在は州庁舎。

Triumphphpforte (凱旋門)

1765年、後の皇帝レオポルトU世の婚礼を記念して建てられたものだが、喜ばしい祝典の最中、父である皇帝フランツ・シュテファン・フォン・ロートリンゲンが急逝。このため、凱旋門の片側には婚礼の場面、もう一方には、皇帝の死を悼む場面が書かれている。

←Mariatheresien strasse

背後にノルトケッテがそびえる景観は印象的で、世界的に知られている風景。

Annasaule (聖アンナの柱)→

スペイン継承戦争の1703年、侵入したバイエルン軍を撃退した記念碑として1704〜6年に建てられたもの。聖母マリア・聖アンナ・チロルの聖人などの像が配されている。

 

 

● Altstadt ●

旧市街のDom-Platz周辺にはみどころが多い

 

Goldenes Dachl (金の小屋根)

1420年、フリードリヒW世がチロル伯の居城・ノイホーフを建築。これに皇帝マクシミリアンT世が豪華なロジェを付け加え、金箔を施した銅板2738枚を使った屋根が1500年に完成。

Dom zu st.Jakob (聖ヤコブ教会)

ゴシックの教会から1717〜24年、J・J・ヘルコマーによってバロックに改築されたもの。現在も演奏されているルネサンス・オルガンは、この様式では世界唯一のもので、世界で最も名高い5つのオルガンのひとつに数えられる。

Leopoldsbrunnen (レオポルトの噴水)

馬が前脚を上げて立ち上がるものとしてはアルプス以北で最古の騎馬像で、1623〜30年に建設されたもの。馬上の人物は1618〜32年にチロルを統治したレオポルトW世で、ほかに女神や海神の姿も描かれている。

Landestheater (州立劇場)

1654年に建てられた宮廷オペラハウスから、1844〜46年、ヴェネチアの建築家セグシーニによって歴史主義スタイルに改築されたもので、1961〜67年に拡張され設備が近代化された。

Landesmuseum Ferdinandeum (フェルディナンディウム博物館)

先史時代の出土品、ロマネスクの彫刻、ゴシックからバロックまでの芸術作品が展示されている。

 

● Westbahnhof周辺 ●

Glockenmuseum (鐘の博物館)

400年、代々受け継がれてきた伝統を有する鐘鋳造所で、「鉱石から鐘まで」の工程を紹介している。

店外に貼られている看板は英語・ドイツ語・イタリア語・フランス語と4カ国語で書かれていた。

 

Baslika Wilten (ヴィルテン教会)

14世紀の巡礼教会に起源し、チロルで最も重要なロココ教会。

 

Stiftskirche Wilten (ヴィルテン教区教会)

1138年に設立されたプレモントレ派聖堂参次会の教会だったもの。現在の建物は1665年の初期バロック建築。

いままでいろんな教会を見て来たが、ここインスブルックの教会は他とはかなり違う印象を受けた。外観も原色を使用して派手!内部の祭壇の装飾もフレスコ画も、「教会」という質素なイメージに似つかわしくないほど豪華絢爛だった。