西山火口散策路

2000年の噴火の爪痕を火山学習の教材として生かすため、災害の様子をそのまま残してある。

 

駐車場からも見ることが出来る「西山火口沼」

沼の向こう側にはかつての国道が続いている。

以前は下り坂だったこの道路は、噴火による地殻変動で上り坂になってしまった。

 

左の写真のピンク色の建物は被災した旧消防組合本部。今は展示室になっている。

建物の近くには沼の真ん中に放置された車がそのまま・・・。

 

 もとは平らだった町道は断層になっており、噴火により70mも隆起した。

 

木道の先には、今も水蒸気を上げる火口がある「西山第1展望台」

火口は全部で30個くらいあるらしい(@_@)

 

倒壊した菓子工場

手前の火口にはむき出しになった水道管や

工事中だった重機が置き去りになっていた

 

 いまだに90℃の噴気もあがる「地熱帯」

足下の土も生暖かいので木道をはずれたら危険!風が吹くと熱い空気が散策路を横切る

 

西山第2展望台から倒壊現場の中を通過し南口まで抜ける散策路が続いている

この先南口までは倒壊現場のかなり近くを通り過ぎることが出来そうだったので、通り抜けてみたかったのだが、あいかわらず雨は降っているし、松葉杖のshinjiは車の中で待っているし、この先まで行っている人は見えないし、気が付いたら第2展望台には私ひとりきり・・・。周囲には誰も居なくなっていた。

パンフレットには「現在は再噴火の危険はありません」と書いてあるが、たったひとりでこの先まで歩いて行って、万が一、噴火したら困る!・・・ということで、車に戻ることにした。(^_^;)

火山の威力のものすごさを体感出来るこの散策路。これだけの大規模な噴火だったのに、数日前から予知が出来た為、被害が予想される地区の住民全てが非難していたので死傷者が一人も出なかったということは、人間の知恵の素晴らしさ。

しかし、予知は出来ても人間の力で噴火を止めることは出来ない。多数の火口からの水蒸気、断層や地熱帯など、人間の力など到底及ばない自然の驚異を感じた。

いまでも危険を感じるこの環境の中、それでも観光業にために火口のすぐ脇に散策路を建設した虻田町。町の人達のエネルギーと、「火山」という自然と共存して行く覚悟が感じられた。

 

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