比叡山延暦寺・東塔エリア 

東塔エリアは比叡山三塔十六谷の中心で、延暦寺総本堂の根本中堂をはじめ、大講堂、法華総持院東塔、戒壇院などの重要な堂塔や、延暦寺会館、書院などの宿泊施設が集まっている。

この緩やかな坂を下った先に国宝・根本中堂がある。

 

根本中堂(国宝)

延暦寺の総本堂。最澄自作の本尊薬師如来像の前には「不滅の法灯」が開総以来1200年間消すことなく灯り続けている。内陣が参拝者のいる中陣・外陣より低い位置にあり、御本尊や法灯が参拝者の目の高さに来ているので、御本尊を「見上げる」という感じではない。これは、仏教の「仏も人もひとつ」という「仏凡一如」の考えを表している。

内陣には窓はなく、法灯の明かりのみなので、ほのかに照らされる内陣の様子はとても厳かな空間。暗い中、目を凝らして覗いていたらひとりのお坊さんが近づいてきて延暦寺について話をしてくれた。

延暦寺は、「御先祖さまがあって今の私がある」とか「今後、こうありたい」とか、「過去」や「未来」について感謝や願いをする場所ではなく、「今、どうしたらよいのか?」と、「現在」について御本尊と対話する場所だという話が心に残った。

 

根本中堂の向かい側にあるこの急な階段を頑張って昇り、途中で振り返ると、良く旅行会社のパンフレットに載る比叡山延暦寺の風景が見える(写真右)。ちなみにこの階段の先には比叡山の総門の役目を果たし文殊菩薩を祀っている「文殊楼」がある。

 

大講堂

僧侶が法華経の講義を聞いたり、お互いに問答して勉強する学問修行の道場。本尊は大日如来を祀っている。

 

戒壇院

大講堂のすぐ西の丘にある二層の建物。天台宗の僧が受戒するお堂。

 

法華総持院東塔(左)

伝経大師により計画され、貞観4(862)年に創建された天台密教の根本道場。信長の焼き討ちから400年、昭和62年に復元再建された。

阿弥陀堂(右)

昭和12年に建立された先祖・故人の供養をするお堂で、毎日回向法要がなされている。

私が訪れた時間はちょうど法要の時間だったのだが、表に「法要中ですが御自由に参拝してください」と書かれていた。重い扉を開けそ〜っと中に入ってみると、5〜6人の僧侶が中央で読経しており、その声が境内全体に静かに流れていた。。。