Spain (Madrid & Barcelona) '08.10.11〜18

5日目(10月15日)〜その2〜 晴れ

AM11:40。細い路地を進んでいくと急にちょっとした広場に出て、一見シンプルな石造りの教会が建っていた。

 

 Iglesia de Santa Maria del Mar (サンタ・マリア・ダル・マル教会)  

1329年〜83年に建設され、総工期間が当時の教会建設としては異例の短さだったために、他の様式が混ざらない純粋ナカタルーニャ・ゴシック建築となっている。特徴は、八角形の鐘楼や簡素で力強いファザード、身廊と側廊の幅の比率が正確に2対1であること、教会内部の幅が側廊の高さと同じなどの精密な設計。 この教会は地中海貿易が盛んだった時代に航海の安全を祈願して造られたため、「海の聖母マリア」と称されている。

見学料:無料

教会前の広場では地元の小学生くらいの子供達が画板を持って地面に座り美術の授業中。いかにも「街の教会」といった佇まいの小さな教会。だけど、内部に入りそのステンドグラスの素晴らしさに圧倒された。 日本での知名度はほとんど無いこの教会はちょっと穴場的かも。

サンタ・マリア・ダル・マル教会の近くには「ピカソ美術館」もあるのだが、我が家は美術館に入ると数時間使ってしまうので(^_^;)、時間が余ったら来る事にして少しずつ西側を目指す。

大きな広場に面した市庁舎 → 

このゴシック地区西側の一帯は 「バルセロナの中でも極めて治安の悪いエリア」 とガイドブックには書かれている。確かに道はやや汚かったけど、昼間に歩いている分には全くそんな気配も感じなかった。 ・・・まぁ、どうみても金持ち風の格好はしていないからスリも寄りつかないんだろうけど(笑)。

PM12:10、「Placa Reial (レイアール広場)」に到着。この広場に建つ何気ない2つの街灯。・・・実はコレもガウディの作品!!

← 広場の様子。

 「Fanals de la Placa Reial (レイアール広場の街灯)」 →

1878年、ガウディが建築家の資格を得た年に請け負った仕事で、バルセロナ市の公共的な施設。鉄兜の形を強く意識しながらデザインしている。

鉄兜は、学生時代にガウディが興味を持った鉄細工の一つだと言われている。 何の変哲もない街灯のようだけど、コレがガウディの初期の仕事だと知ると、やっぱりなんとなく芸術作品に見えてくる。

PM12:35。このレイアール広場から更に西へ向かい、旧市街のメインストリート「La Rambla(ランブラス通り)」を超え路地を入ると、左手に世界遺産が見えてくる。

 

 Palau Guell (グエル邸) ★世界遺産★  

「グエル」の名はガウディの才能を見抜いたよき理解者でスポンサーでもあった実業家・エウセビ・グエル氏のことで、彼のために設計されたガウディの初期の傑作と評される建築作品。25の案を準備したというほど力を入れて設計にあたった作品。当初、グエル邸別館として建てられたが、その出来映えに満足したグエルはこちらを本館として利用した。細かいタイルが飾られた煙突にはガウディ独自の手法が光る。

見学料:無料

← 外観は中世のお城のような雰囲気の邸宅。面している道の幅が狭くてただ見上げるばかり・・・。 屋上にある大小合わせて19本の塔は一部しか見る事が出来ない。

馬車が出入りするため、出入り口はかなり大きく作られている。

紋章 →

作業中にこの紋章を見た通行人が「奇妙で派手な飾りだなぁ」と言ったのを聞いて、グエルはますます気に入ったそう。

2004年以来、修復工事のために全館クローズされていたらしいが、今回訪問時には普通に人が入っていたので近づいてみると、特に並ぶ事もなく、入口で国名と人数を聞かれただけで内部に入れてしまった(笑)。しかも、無料!! 予定外の事態にちょっとビックリ!(@_@) でも、まだ工事は続いていて(終了予定は2011年・・・あくまでも“予定”・笑)、この時に公開されていたのは1階と地下のみ。

← 1階入口の天井。落ち着いた色合いの幾何学模様。

内部はグラナダのアルハンブラ宮殿を意識した重厚な造りになっている。

← 地下の馬車庫。当時の交通手段は馬車だったので、ココに保管していた。

煉瓦が積み重なったアーチ型の空間、らせん階段など、後々のガウディの作品に通じるものが感じられる。

 

グエル邸が面する「Carrer Nou de la Rambla (ノウ・ダ・ラ・ランブラ通り)」を西へ向かった突き当たりに、「Parc Montjuic (モンジュイックの丘公園)」へと登るケーブルカー「Funicular(フニクラ)」の駅がある。前日に買った「10回券」はこのフニクラにも乗る事が出来る。

フニクラの車両 →

フニクラは地下鉄2,3号線の「Paral・Lel」とモンジュイックの丘公園までを約3分で結び、10分おきに出発する。 車体は斜面を登る為に斜めに出来ており、車内の座席も階段上に設置されている。

 

← Parc Montjuic (モンジュイックの丘公園)からの眺め。

写真の中央付近に微かにサグラダ・ファミリアが見えている。周囲にはあれだけ大きな建造物は他に無いのですぐに見付ける事が出来た。

フニクラ下車後、「Castell de Montjuic (モンジュイック城)」を目指す。

方法としては、徒歩・バス・テレフィリックの3種類。 徒歩はかなりの山道を登る必要がある。「Teleferic (テレフィリック)」は4人乗りのロープェイで10回券では乗る事が出来ない(>_<)。 ・・・我が家はバスを選択する事にした。

ちょうどやってきた「PM」と書かれたバス(←モンジュイックの丘を走るバスは数字ではない)に乗り、10分程で「Castell de Monjuic (モンジュイック城)」に到着。

PM1:00。 ・・・お腹空いた(-_-;)。でも、モンジュイック城の入口周辺には店も何もない。今朝、ホテルからパンを拝借してきて良かった(笑)。

城壁に登ってみたら港が見えた。・・・コレって地中海よね? せっかくなのでこの風景を堪能しながら持参したランチを摂る。

奥のほうに豪華客船が見えるが、このような大型客船が多い日には6隻ほど着くらしい!(@_@)

空腹が満たされてから、モンジュイック城に入城。

 

 Castell de Montjuic (モンジュイック城)  

古来から監視塔が置かれていた場所で、17世紀に要塞が建設された。以後、幾度となく改築され、刑場を有する獄舎として使用された事もあった。城内には15〜20世紀の武器、軍服などを展示する軍事博物館がある。モンジュイックの丘の一番高い場所にあり、市街地を一望出来る。
城へ渡る橋 城のお濠は今は庭園

城内入城だけなら無料(軍事博物館は有料)。無料ゾーンでは特に城内の部屋が見られる等は無く(^_^;)、バルセロナの街や港、そして地中海が見渡せる広場があるだけ。でも、お天気が良ければ素晴らしい景色が見られる。 城内に小さな売店があるので、景色を見ながら一休みするのもいいかも♪

PM2:00発の「PM」バスに乗り丘を下る事15分。「Placa d'Espanya (スペイン広場)」に到着。

カタルーニャ美術館

この場所には噴水があって、土&日曜日の夜8時と10時に音楽と一緒に噴水のショーが開催されている。夜なのでスポットライトが噴水の水に当ってなかなか綺麗らしい。 この時は昼間なので噴水ショーは見れなかったけど、カタルーニャ美術館までの道が通行止めになっており何かの見本市の準備の真っ最中だった。気になったのでちょっと入ろうとしたら警備員に首を振って止められた(笑)。

駆け足で通り過ぎた「Montanya de Montjuic (モンジュイックの丘)」。 この一帯は1929年に万博会場となり、1992年にはバルセロナ・オリンピックのメイン会場となるなど、国際的なイベントの開催地として大きな役割を果たしたエリア。カタルーニャ美術館を始め、考古学博物館、テーマパーク「スペイン村」、ミロ美術館、オリンピック・スタジアム etc. 見学施設がたくさんあるので本当は時間をかけて回りたいエリア。

・・・でも、我が家の旅は忙しいのだ(笑)。ここバルセロナには見たい場所が多すぎる!!

スペイン広場から地下鉄に乗り、今度は少し北のほうを目指す。