2日目(5月12日) 〜その2〜
私にとってこの「縄文杉ルート」の中で一番辛かったのが、ウィルソン株を過ぎてからの30分間(-_-;)。
あの急斜面があと10分以上続いていたら、確実に「・・・もう帰る!」と言い出していたかもしれない(^_^;)。歩く気力がなくなる寸前でルートが尾根沿いの昇降の少ないルートになり、登山慣れしているshinjiが登山地図を見て「この先はそんなにアップダウンはないはず」と分析してくれ、そして何より、もしココから戻るにしても3時間以上は歩かなくてはならないので(爆)、戻るよりはあと1時間くらい頑張って縄文杉に遭ったほうがいいから頑張る!p(^-^)q
ウィルソン株から約1時間で「大王杉」に到着。
●大王杉● 急な斜面に立っており、株元の上端と下端では5.3mもの落差があり、下から仰ぎ見るとその巨大さがよくわかる。 下部には人がゆうゆうと入れる程の割れ目があって、中はすっかり空洞になっている。「縄文杉」が知られるようになる前は最大の屋久杉といわれ、「大王杉」の名にふさわしく屋久杉のシンボルとして君臨した。 樹高: 24.7m、胸高周囲: 11.1m、樹齢: 3,000年、標高:1,190m
その名のとおり堂々とした大王杉。江戸時代に試し切りされた跡があるが、利用に適さないと判断されたために切り残されたらしい。・・・木材には不適合の杉(^_^;) そのおかげで現代まで無事に残って保護されるようになったのだけど・・・。
屋久島の屋久杉は、昔は年貢として納めていたらしい。
屋久杉の伐採は豊臣秀吉が島津義久に命じたのが最初と言われている。用途は大坂城など諸説あり。屋久杉はかつて「神」として崇められていたため、島民により伐採されることはなかったが、江戸時代に入り、屋久島出身で薩摩藩に仕えていた儒学者の泊如竹が屋久島の島民の貧困を目にして屋久杉の伐採を島民に勧めたのをきっかけに、1640年頃から本格的な伐採が始まった。島民は薩摩藩に年貢代わりに「平木」と呼ばれる幅10cm程度の屋久杉の木材を納めた。 この「平木」には素直に真っ直ぐに育った杉でないと使えない=規格外の杉は伐採されない。つまり、現代まで残っている屋久杉はちょっとクセのある杉(笑)という事になる。この大王杉も幹の途中に大きなコブの部分があったりして、確かに平木には出来そうもない(^_^;)
大王杉から約10分で「夫婦杉」に到着。
●夫婦杉● 標高1,230m、3m程の間隔をおいた2本の巨木が10m程の高さで枝がつながっている。2本が斜面に立っているが低い位置にある妻のほうが樹高があって、上端では夫と同じ高さになっており、周辺の樹木と同じ高さで林冠を構成するという強風地帯に育つ屋久杉の特徴をよくあらわしている。 樹高:妻(左)25.5m 夫(右)22.9m、 胸高周囲:妻5.8m 夫10.9m、樹齢:妻2,000年 夫1,500年
この写真ではちょっと分かりにくいかもしれないけど、どちらか一方から出た脇枝が相手の幹に喰い込まれて、手をつないだ姿をしているのでこの名前が付いたらしい。 癒合しやすいスギは根元から合体している例は多いが、これほど高い位置でつながっているのは珍しいそう。
夫婦が手をたずさえたような姿・・・たくましい巨木ながらも微笑ましい♪
この「ヤマグルマ」が作り出すトンネルをくぐると、地図によると縄文杉まであと10分程・・・ のはず?(笑)
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AM11:00、ほぼ予定通りの時間で、や〜〜っと「縄文杉」に到着。
←この木製の階段(結構、急!)を登り切れば、いよいよ縄文杉とご対面! この時は全く混雑などしていなかったが、GWや連休等はこの階段が大渋滞して、1時間以上待ちになる事もあるとか・・・?(^_^;)
●縄文杉● 現在、確認されている屋久杉の中では最大。斜面に立ち、幹の大きさの割には樹高はさほど高くなく、どっしりした感じを受ける。昭和41年、岩川貞次氏によって紹介され、縄文時代からの生きた化石であるということから、この名がついたといわれている。屋久島を訪れる人の最大の注目のまとで年間10,000人以上もの人々が訪れている。 樹高:25.3m、胸高周囲:16.4m、 樹齢:2,000年代〜7,200年
ここまで来る途中でも著名な屋久杉をいくつも見てきたけど、やはり「縄文杉」は格が違う!! これが関東の山で普通に見かける「杉の木」と同じ種類だとは到底思えない堂々とした幹っぷり。幹の表面にはコブがあったり縄目模様のようにうねっていたりして一癖も二癖もある。・・・伐採されずに残ったのにも納得(^_^;)
残念ながら、縄文杉の正面のデッキにかかる枝が落下する危険があるとの事で、デッキが一部進入禁止になっていた。なので、離れたデッキから遠目にしか見学出来なかった・・・。どうしても幹の左側にある別の木の枝が邪魔して、縄文杉の全容を把握する事が出来ない・・・(>_<)
立ち入り禁止の看板。この先まで行きた〜い(涙) 幹の根元には折れて落下した枝が・・・
さすが樹齢7,200年。圧倒されるような迫力だった。ここまで頑張って来て良かった〜!p(^-^)q この時は見学デッキはそれほど混雑してなかったので自由に動き回りゆっくりと見学出来たが、混雑時はきっと大変な騒ぎになるだろう。。。(-_-;)
ところで、この縄文杉の前でとても不思議な出来事が起こった。
「せっかくだから、デジカメだけではなくスマホでも縄文杉の写真を撮ろう〜♪」のスマホの電源を入れてみたが・・・ 電源は入るもののカメラが起動しない。それどころか、アドレス帳やメール、電話機能、その他のアプリ関係がほとんど起動しない〜っ!(@_@) 更には日本語文字入力も全く出来なくて(←ローマ字なら打てる状態・汗)、唯一使えそうなネットでさえも日本語入力が出来ないから全く使い物にならない・・・ ガーーーン(-_-;)
まるで、縄文杉が「俺の姿をカメラに納めるのではな〜いっ!(怒)」と言っているかのような不思議な出来事だった。。。(後日、ショップに持参して見て貰ったけど原因不明で、結局、私のスマホは完全初期化する運命となった・・・(^_^;))
30分程縄文杉を満喫したあとランチTime。
縄文杉からほど近い木道の両側が休憩スペースになっていたので、レジャーシートを敷いてお弁当。
ガイドツアーのグループは、ガイドさんがバーナーでお湯を沸かして温かい飲み物を作って配ったりしていた。・・・昼間とはいえ5月なので結構寒い。。。温かい飲み物がちょっと羨ましかった。
ところで、前日宿に頼んだ「2食分」のお弁当(←宿で作るのではなくて外注品だけど)。・・・2食ともほぼ同じメニューだった(-_-;)。宿の朝食分のみを弁当に変更して、もう1食は前日にコンビニやスーパーで自分で好きな物を調達したほうが良かったと思った(^_^;)。ガイドツアーでも「朝昼2食分の弁当」の準備が必要なのは同じなので、今後行かれる方は2食の構成はちょっと考えたほうがいいかも?
PM12:00、帰りも4〜5時間は掛かるので(爆)そろそろ下山開始。
←看板はなかったけど隠れた写真スポット。近くにいたガイドさんの説明では「口を開けたマグロの頭」(笑)。・・・見えるっ!(^_-)b
←このコース上で唯一触る事の出来る屋久杉:「子宝杉」
PM13:10、ウィルソン株に到着。
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PM13:45、登山道と長〜いトロッコ軌道との分かれ道「大株歩道入口」まで戻ってきた。
ここまで来ればあとは平坦な道になるので楽チン♪ ・・・かと思いきや、1時間おきくらいに休憩を挟んではいるものの、歩き始めてから既に7時間以上が経過。疲労も極限に近づいており、黙々と足元だけを見て歩く時間が続く・・・。
15:00、小杉谷山荘跡に立つバイオトイレに到着。 かつては人が常駐し営業していた小杉谷山荘は今は廃止され、その跡地にバイオトイレ※が設置されている。
※バイオトイレ:その名の通り微生物の力によって屎尿を浄化しようというもの。水洗式でないから水は不要な上、汲み取り式でもないからニオイもほとんどないという。
←切り株更新 切り株の上に樹木が育っているのが分かる。
近づいてみるとまるでミニチュアの世界☆ 小さな「未来の縄文杉」がしっかりと立っていた。
← 小杉谷の集落跡にたたずむ東屋。 この「縄文杉ルート」上で雨をしのげる場所はこの建物くらいしかないのでとても貴重!
・・・ここに到着するまでの約2時間、膝の痛みがつらくて(^_^;)記憶がほとんど無い(笑)。でも、ここからあと1時間くらいで終了なのが分かりちょっと息を吹き返した(^-^)v
← まるで「もののけ姫」に出てくるかのような苔の緑に覆われた光景が広がる
近くにいたガイドさんの説明に寄ると(笑)荒川登山口から一番近い屋久杉 →
PM16:35、無事に「荒川登山口」まで下山!
事前リサーチで「約10時間の登山」と書かれていたのを読んで「まっさか〜!きっと大げさに書かれてるだけでしょ!」と思っていたが ・・・本当に10時間掛かった(笑)。
バス停脇の建物の中で「協力金」(\500/1名)を募っていた。募金したら、自分でヤスリで磨いて組み立てる「屋久杉」の切り株で作られた携帯ストラップが貰えた♪
PM17:00、登山バスに乗車。当然35分の道中、車内はみ〜んな爆睡してました(笑)。
屋久杉自然館でレンタカーに乗り換えPM17:50に宿に到着。やはり、登山口に近い宿にしておいて良かった〜! 部屋に入ろうとしたら女将さんが「お帰りなさ〜い!」とバスタオルを持ってきてくれた。こちらから声を掛ける前に持参して来てくれる心遣いは民宿ならでは♪
PM18:30〜、夕食。
今夜も盛りだくさん!
10時間煮込んでからオーブンで焼いたオーナー自信作:豚足 魚のアラ煮
10時間掛けてじっくり煮込まれた豚足。お箸でほろほろとほぐれて、カラシとの相性が抜群の逸品だった♪ ・・・これが煮込まれている時間と同じだけ歩いていたのか、私(^_^;)。
長い長い1日だった・・・。縄文杉以外にも見所がい〜っぱいあったけど、10時間の登山はさすがに疲れた。登山歴の全くない初心者でも、足腰さえ丈夫ならなんとか往復出来るレベルではあったけど、かなりの疲労感。。。
展望風呂に浸かって足をマッサージして、あらかじめ両足ふくらはぎに湿布をして(笑)、早々に就寝 zzz(=_=)zzz